平成27年6月1日(月)13:00より、大阪ガスHu+g MUSEUM 5Fハグホール(大阪市西区)にて、「ハラール調理師認定」発足記念講習会を開催致しました。参加者は京阪神の日本料理に携わる調理師をはじめ、政府関係者、観光業界や食品業界、流通業界の皆様をはじめとして、報道(マスコミ)関係者様にも多数ご来場頂きました。
プログラム
(1)開会挨拶 田中愛子(日本料理国際化協会理事長)
(2)「日本料理のハラール対応への期待」 レモン史視(日本ハラール協会理事長)
(3)「和食のニーズとムスリム対応への課題」 曽我 和弘(日本料理国際化協会理事)
(4)ハラール調理師講習[デモンストレーション・試食] 室田大祐
(全国日本調理技能士会連合会 常務理事、一般社団法人 大阪府日本調理技能士会 会長)
【主催】大阪府日本調理技能士会
【共催】日本料理国際化協会
【協賛】NPO法人日本ハラール協会
【協力】大阪ガス株式会社
◆レポート
(1)開会挨拶 田中愛子(日本料理国際化協会理事長、大阪樟蔭女子大学教授)
講習会に先立ち開会の挨拶として、日本料理国際化協会 田中愛子 理事長より、本認定制度の立ち上げに係る敬意や趣旨説明が行なわれました。2020年の東京オリンピックへ向けて、日本における食環境のハラール対応の現状の問題点に触れつつ、調理師が、訪日ムスリムに対する「おもてなし」の先頭に立つことの意義と必要性について語りました。
(2)「日本料理のハラール対応への期待」 レモン史視(日本ハラール協会理事長)
続きまして、NPO法人 日本ハラール協会 レモン史視 理事長による「ハラールとムスリム」について講演が行なわれました。イスラム教やハラールについての基礎知識や日本文化との相違点等について説明され、日本国内で正しいハラール料理が提供される環境が整うことに大きな期待をもっていると、激励を頂きました。
(3)「和食のニーズとムスリム対応への課題」 曽我 和弘(日本料理国際化協会理事)
続いて、日本料理国際化協会 曽我和弘 理事より、和食のニーズとムスリム対応への課題、特に豚派生品、アルコール含有調味料について詳細な説明があり、そして今回の大阪府日本調理技能士会の取組みの意義についての説明がありました。
(4)ハラール調理師講習[デモンストレーション・試食] 室田大祐 (大阪府日本調理技能士会 会長)
大阪府日本調理技能士会 室田大祐 会長により「ハラール日本料理の調理実演および試食会」が行なわれました。講演では主に、ハラール認証商品の調味料を元に、如何にして日本料理の味に近づけていくか、その工夫の過程での失敗談や苦労話も織り交ぜながら、約1年近くかけて辿り着いた現時点での調理法の提案を行ない、またそれらをプロの料理人に試食していただきながら、これからの可能性についてディスカッションしました。
※会場のキッチン設備は事前に宗教洗浄をすませております。 ※試食配布は調理師のみ。 ※マスコミ・一般向けには別途、撮影用及び試食用として、完全にハラールな松花堂弁当を作成しました。
(5)質疑応答
質疑応答では、おそらくはじめて体験する「ハラール日本料理」について、感想や意見が交わされました。また、閉会後も残って質問される方や試食をされる方が多く、関心の高さが窺えました。
講習会終了後、マスコミの取材に対して、和食チェーン店の幹部の方は、「調味料に制限などがあり、戒律に従った日本食は難しいと思っていましたが、工夫次第でできるんだと実感しました」とコメントされました。
【マスコミ報道】
NHK 関西ニュースWEB 2015年6月1日 http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20150601/4971631.html